京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

大原・出世稲荷

   
京都大原・出世稲荷神社ホームページ
 二条城裏、つまり聚楽第ど真ん中に位置する母校の最寄バス停が「出世稲荷前」。そのバス停名の由来となった出世稲荷神社は、3年程前に大原へ移転してしまい、バス停名もあっさりと変わって、跡地にはあっという間にマンションが建った。たまに付近を通ったり、高校時代の友人との間で、授業を自主休講(サボるとも言う)して境内で会合(デートとも言う)をしていた思い出などが話題に上る度に、この世の無常をひしひしと感じることである。
 しかし消えて失くなったわけではないので、高校時代には一度もしたことがなかったお参りでもしてみようと、先日大原へ行った際に訪ねてみた。見慣れた石柱の表札?それ自体は千本通りにあったそのままで、懐かしさのあまり抱きつきそうになった。遠い昔に奉納された石の玉垣にも「千本」や「上立賣」「一條」といった地名が並んでいるのが、洛中にあった証である。石柱や鳥居を奉納された方々の名前にも、千本界隈に住まいしていた同窓生のご先祖さんと思われる苗字が連なっている。今度奥村くんや清水さんに会ったら報告しよう。それにしても、神社周辺の環境と境内の様子のあまりの変わりっぷりに驚いて、自分の出世を祈願するのを忘れ去り、とにかく出世稲荷神社の、細くとも末永い存続を強く祈っときました。