京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

 やるせない

 今回、笛の演奏に選んだうちの一曲は『宵待草』。
 歌詞は♪待てどくらせど来ぬ人を 宵待草のやるせなさ 今宵は月も出ぬそうな♪である。
 何度も練習を重ねた挙げ句、ハタ、と気づいたが、わたくしはこれまでの人生で、「やるせない」と感じた事があるだろうか。いや、無い、かもしれない。「やるせない」気持ちとは、一体どのような気持ちのことを指すのか、さえも・・・ピンときていないかも?
 この気づきをグループ稽古の時に打ち明けてみたところ、先生(多分30代後半男性)は、「深いですね・・」と口では言いつつ、サッパリ理解不能、という顔をしていた。クラスメイト(多分50台女性)は、なぜか腹を抱えて笑っていた。もう一人のクラスメイト(60台女性)には「苦労が足りん」とバッサリ切られた。まぁ、実際できる限り苦労は避けて生きているので、これが正解である。
 そんな訳で、宵待草を吹く度に、経験が音色に表われることを痛感する次第。どうもわたくしの吹く宵待草には、やるせなさが足りない。かといって、積極的に苦労するつもりもない。