京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

『魔法のはさみ』

 今森光彦さんの切り絵「魔法のはさみ」展へ。
 動物、鳥類、爬虫類、植物、昆虫はもちろんだが、蚊やカメムシまで題材になっているのには驚いた。自分が切るならどこから切るかを考えつつ、黙って集中して一点一点観ていたのだが、蚊を観た時だけは思わず「か、・・・」とつぶやいてしまった。
 ハイビスカスの花びらのビラビラ感やおしべのつぶつぶ感からは、まるで甘い香りが漂ってくるかのよう。あと気に入ったのは、タコとカメ。全くキャラクター化してなくて、タコの吸盤のぷっちんぷっちんな感じとか、カメの足のうろこっぽい皮膚感や甲羅のゴツゴツが気色悪いほどだった。ちなみにわたくしは、気色悪いが触ってみたいと思ったら触ってみるタイプ。以前、魚屋さんにあった、魚を泳がせてある水槽に手を突っ込んで、感電死しそうになったことがある。なんだか知らないがビリッときたのである。ビリッと。
  話は逸れたが、この展覧会は国博と違って、超至近距離で作品を観ることができるので、迫力満点だ。作者の繊細さと熱中具合が熱く迫ってくる。しかし実物をクールに観察しているからこその、この素晴らしい作品なのだな、と思った。