京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

してもらってもいい?

 まさかと思ったが、車か何かのCMで、子役の男の子が「〜してもらってもいいですか?」という台詞を言わされている。これも最近巷でよくきくフレーズ。しかし、わたくしは実は最近ではなく、20数年前に既に信州でこの言い回しを耳にしており、以来てっきり方言のようなものだと思っていた。当時冬のバイトをしていたスキー場の民宿で、若奥さんがわたしたち居候(バイト生)に仕事を指示する時、例えば「食器並べてきてもらってもいい?」などと、よく使われていた。なので、目上の人やお客さんには使うフレーズではないという語感があるのだが、最近は相手の誰彼構わず使われているようだ。言う側は、なんとなく下手に出て依頼しているようにも聞こえるが、内心は、この程度のことを断られるはずがなかろう、という甘い考えもチラリと見え隠れする。逆に、万一断られた時に、自分が傷つかないように恐る恐る依頼しているようにも聞こえる。しかしこんなふうに互いの心情を探るような会話は疲れやしないか?わたくしは、〜してくださいませんか?とか〜していただけますか?とか〜してくださいますか?とか〜してくれる?と頼まれて断ったことは滅多にないが、〜してもらってもいいですか?と依頼されると、ついつい「イヤですけど」と返答したくなる。これがいわゆる京都のイケズ、の心情なのだろうか。