京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

口数と提灯

 年末年始に続けさまにテレビで時代劇を見た。「鬼平犯科帳スペシャル」二本と「御鑓拝借」である。昔から、父が見るのでなんとなくついでに見ていた時代劇なのだが、今回の話は、以前より台詞が多いように感じた。中でも捕り物シーンで、火付け盗賊改め方長官の鬼平(中村吉衛門)自ら賊の一人を峰打ちし、「こやつはこれまでの悪事を洗いざらい吐かせるために生かしておけ」とその場で部下に指示したのだが、この台詞は必要だろうか?視聴者でも鬼平の立ち回りを見ただけでその判断はできるで、いちいち言われんでも、と感じた。長官自ら長々と説明するのは無粋だ。それに部下の役人たちも、恐れ多くも長官に対してやけに口数が多い。おしゃべりな盗賊改め方なんて軽々しい、、と感じるのはわたくしが中年になったからだろうか。現代の若年層の視聴者のためには、説明も必要なのかもしれない。なんせ生まれた瞬間から煌々とした電気に照らされて育った人たちやから、提灯持ちの役割もイマイチ、ピンとこないようだから。それに「御鑓拝借」に登場していた若い俳優さんのつるんとしたキレイなだけの顔には、あまりにもちょんまげが似合わな過ぎて微笑ましいというより、爆笑した。火星人が髷結ったみたい。