京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

奇跡のギャッベ展

 三条通りを歩いていたら、ギャラリー桃源洞というちょっと異彩を放っている店で、「奇跡のギャッベ展」という展示販売会をやっていた。ギャッベとは、イランの遊牧民が羊の毛を染め、手紡ぎして手織りした絨毯のこと。実際遊牧民が日常生活で使っている敷物でもある。店先に飾ってあるその素朴な可愛らしさと生命力があふれ出ている作品に一目ぼれし、観るだけ、観た。いや、一目ぼれしただけあって、もちろん欲しい!使いたい!と思ったのだが、とてもじゃないが、手の出る金額ではない。それもそのはず、羊の毛を刈って洗ったり、それを染める染料を山から採ってくるところから、全てが大自然の中で行われる手作業なのだ。多分、ギャッベオタクであろう販売員のおじさんが熱心に語るその製作工程をきいて、益々このギャッベのことが忘れられなくなった。しかしそれはわたくしの側の勝手な欲望であって、ギャッベ絨毯そのものは、自然と同じく、使われる(置かれる)場所を選ばず、主張し過ぎることがない。にもかかわらず独特の輝きを静かに放っている。