京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

港と山手

 職務上、横浜・みなとみらいに数日間滞在することに。
 港、というと、個人的なイメージとしては、重厚な赤レンガ倉庫とか、雨に濡れてた黄昏の街〜みたいな雰囲気を抱いているのだが、それは少々昔の感覚のようで、現在の港はどこをとってみてもピッカピカで色とりどりのライトで明るく照らされている。たそがれているような隙間も無いし、なんだかペラペラで薄ら寒く、身の置き所も無い。
 だが港に下りて来る前、明るいうちに山の方へ紅葉坂を上がって、黄葉した木々の茂る公園内にある図書館能楽堂に入ると、ここは温かで心身ともに緩み、思いがけなくお便りをお出しすることができた。ウォシュレットもついていない、築60年来の建物だが、つまりこういう雰囲気の所がわたくしの縄張りだということを、身体が知らせてくれているのだろう。動物的に。