京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

「ワザとこころ 能の伝承〜稽古と修行と教育」

 タイトルがわたくしの興味にドンピシャだったので迷うことなく受講したが、よく考えてみると観世流観阿弥世阿弥の流れをくむ家元だということさえも知らなかった。しかしそんなことは大した問題ではなく、宗家とその坊ンプラス京大の教授連のとても興味深い話に聞き入り、能のもつ自由闊達でイメージ豊かな世界をあらためて堪能した。そして謡の声の音波を浴びて、美しい立ち居振る舞い、仕舞いを見ているだけで、こちらの心身からも力みが抜けてくる。そして、中3の坊ンの発する青々とした張りのある声。まるで別の世界を突き抜けて届くようだ。その場にただ居るだけで伝わり鎮め合う念の力。これが鎮魂ということか。