京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

 私からのお年玉

 チビたちにはお年玉(お金)をあげたことはないし、お金の稼ぎ方を教えたこともないが、お金がなくてもないなりに機嫌良く生き延びるワザを伝授しているつもりだ。大袈裟に言うと。
 例えばフミチャンが5歳位の時、鴨川の亀石を渡り損ねて川にドブンと落ち、靴下と靴が濡れてしまった。わたくしは丁度、軍手を持っていたのでそれを彼女の小さな足に履かせて、30分の道のりをいつも通り歩いて帰宅した。フミチャンの家族はそれを褒めるどころか「靴下くらい買うてやってくれ。出町の商店街の中になんぼでも売ってるやろ」とわたくしをなじったが、知った事ではない。慌てず騒がず軍手を履いて歩いた事を、フミチャンは5年以上経った今でも誇らしげに話すではないか。川に落ちた事もトラウマにならず、オモロイ思い出になっているではないか。おまけに当時はまだ生まれていなかった自分の妹にまで「軍手履かされたんやで」と話して聞かせ、ちょっと自慢げだ。生きる自信がついている証拠だ。妹(イオリ5歳)も良い影響を受けて、軍手を履いてみたい、そんなそぶりを見せている。
 身の上にどんな事が起ころうとも、とにかく寿命で死ぬまでは淡々と生きていってもらいたい。