京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

 隔世の感ありの件

 子ども時代に歌う唱歌や童謡やアニメソングなども、時代とともに変わるのは分かっちゃいるが、小学生時代に合唱団に入っていたという20代後半の若者が、『月の砂漠』♪つきのーさばくをーはーるばるとー旅のらくだがー行きーました♪を「知らない」「聞いた事無い」というのは、どーゆーこっちゃ!?ホンマか!?思い出す気がないだけ、ちゃうか?いや、そうでもないらしい。確かに音楽の教科書にも歌集にも載っていなかった、と。篠笛の教本にも出てくる曲なので、「わたし、知ってる〜♪」と鼻高々に初見で吹いてやった。40半ばで得した。
 『五木の子守唄』『竹田の子守唄』『宵待草』に至っては、20代どころか30代も知らないらしい。いや、歌詞は知らんでもメロディー聴いたことくらいはあるやろ?ん〜〜、ない、らしい。もしかして帰国子女か?いや、全然、とのこと。全く隔世の感ありあり、である。まぁ確かに5,6歳で出稼ぎに出されて、寒空の下乳飲み子をおんぶして働いている子どもももういないだろうし(子守唄の歌詞がそーゆー内容なのだよ)、正調五木の子守唄を聴いた時には、わたくしも気が滅入ったし、今の待ち合わせは携帯電話で連絡がとれるから、やるせない想いをすることもなかろーが、、、。確かにこういううらめしや系の感情を抱かずに一生過ごすことができれば、これ幸いであるのはある。
 わたくしが子どもの頃に歌った歌は、今から思うと、ちょっとした労働歌?が多かったようだ。例えば
朝一番早いのはパン屋のおじさん♪とか♪かわいいかわいい魚屋さん♪とか
♪小ガニぶつぶつシャボンを溶かし オヤジ自慢でハサミをならす チョッキンチョッキンチョッキンなー♪とか
♪今日も朝から口笛吹いて 陽気なボクははさみとぎよ♪とか
♪しばしも休まず槌打つ響き 飛び散る火花に走る湯玉 〜村の鍛冶屋♪とか
♪えっさえっさえっさほいさっさ おサルのカゴ屋だ ほいさっさ♪とか、まぁ挙げるときりが無い。次々歌いたくなってくる。しかしながら刃物研ぎさんも鍛冶屋さんもカゴ屋さんも、ほとんど絶滅が危惧されている職業となってしまったことからも、隔世の感、大あり。
 小1の頃あこがれていたのは、ピアノ教室の発表会で高校生くらい?のお姉さんが独唱しはった『初恋』♪砂山の砂に腹這い 初恋の痛みを♪。これ、大人になったら歌いたいわーと思っていたことを覚えている。おませだったのかしら?
 同年代の人もさすがにこの曲は知らないだろう。『紀元節の歌』♪雲にそびゆる高千穂の〜♪。亡き祖母が透き通るような高音で歌っていた唯一の歌。隔世の感よりも、懐かしさが募る。