京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

 小川糸の小説類

食堂かたつむり 喋々喃々 ファミリーツリー 

 一年位前から、小説の類は煩悩のカタログのような気がして辛気臭く、あまり読んでいなかった。しかし最近小川糸さんの小説をちらっと読んでみると、わたくしの本名と同じ名の人物が登場していたので、何かの縁(えにし)を感じて、計3冊を読了した。
 確かにこれらの小川糸さんの小説も煩悩カタログであった。しかし主人公が10代20代の若者だからか、煩悩がドロドロしておらずあっけらかんと描かれており、まぁ俗にいう若気の至り、で?それがどーした?という感じ。ともすれば抜き差しならない泥沼に陥りそうな出来事が次々に起こるのだが、当事者たちの会話は妙に軽くそれでいて真剣で、思わず吹き出してしまう。例えば、『ファミリーツリー』に出てくるゴボウ(男子大学生)は43歳の人妻と不倫の恋愛中なのだが、この事についての告白を受けた時の友人のリュウ(主人公/同じく男子大学生)は「もしかして、お前、オバマ!?」と驚く。こういう趣味?の人のことを「オバサンマニア」略してオバマ、やと!おまけにこの人妻が43歳で、わたくしと同じ年というところがまたわたくしのツボにはまって爆笑した。最近の若者はどうやら、恨み節とか浪花節っぽい感覚や感情があまり備わっていないような気がする。これが文科省ゆとり教育の狙いか?