京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

小山郷六斎念仏を観て

 何を隠そう、本番を観たのは初めて。この2ヶ月間ほど稽古場で稽古は観てきたが、舞台が夜の森の闇に浮かぶ神社の舞殿となると、稽古とは全く雰囲気が違った。笛鉦太鼓は、やはり神仏にお供えするための音を奏でる楽器だ。それがひしひしと伝わってきた。写真を撮るのも忘れて、独特のリズムにノリながら観入ってしまった。
 こうなると誰が演じているかなんて、どーでもいいことなのだが、なまじ見知った顔の人たちが一生懸命に演っているので、余計に思い入れも深くなってしまうのかもしれない。
 さすが一番の長老(70代?男性)三名の演奏は、味があった。中でも太鼓は、ハンディタイプの太鼓を持って振り回し、上げ下げし、舞いながらたたいているので、相当体力も腕力も脚力も必要だ。それを華麗に演っている。以前、阿波踊りの長老にも見惚れてしまったが、六斎念仏も同じく、長老ファンの人には必見だ。
 一方、若者たちの獅子やお猿も、我が子の学芸会を観ているようで、胸が熱くなる。数段重ねた碁盤の上から、二人だての一頭の獅子が回り落ちてくるシーンなど、気ぃつけや、しっかりやりや、くれぐれも腰いわさんといてやってください、とまさしく神仏に祈るような心持ち。