京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

六斎念仏総括

 小山郷のホームグランドである上善寺での奉納公演も無事終了。さすが三公演目ともなると、MCも段取りも良く、なおかつ演者全員気合いが入りまくりで、老若男女問わずお客さんの数も最も多く、露店や警官や消防団まで出て、結構な賑わいだった。
 舞台は、他の会場のように舞殿や本堂内ではなく、露天舞台だったので、二人立ての獅子がぐーっと首を伸ばして鈴をしゃんしゃん鳴らし、真っ白な蜘蛛の巣がパーッと散ると、曇天の夜空に妖しげな雰囲気が漂う。
 少し離れた所から見ると、舞台上だけでなく周囲を囲む観客やお地蔵さん、本堂の阿弥陀さんまでもが、ろうそくの炎に揺られて、まるで上善寺の境内だけがぽっかりと異界であるかのように見えた。笛友の談を借りると、「不気味」だった。けれど嫌悪感や恐怖感は全く無し。昔の人たちの、昔の人たちによる、昔の娯楽が、現代のわたくしにもすっと寄り添ってくるようだ。