京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

限りなく何気ない状態

 例えば息を出す唇の穴は、開いている状態を閉じて形をつくるのではなく、閉まっている状態を基本として必要最小限に開けるだけ。出す息の量も頑張って最大限に出す状態から減らすのではなく、出していない状態を基本として必要最小限だけ出すのみ。音量も同様。唇の唄口への当て具合も。力まない。頑張って稽古するというよりも、頑張らない稽古をしているような感覚。今までやってきたスポーツの練習などでは、頑張って練習を重ねて、時間をかけてへとへとに疲れきった果てにもうこれ以上頑張れない、つまり強制的に力めない状態にもっていっていたが、そんなに多くの労力と長い時間をかけなくても、最初から力まずに稽古すればいいのだ。力んで稽古して悪癖がついてしまうより、最初から力まない状態で稽古すれば、自然とできてしまうというだけの話。だから苦労する必要がなくなる。こうして出た音が、まさに竹(自然)本来の、何気ない音に近いのではないか?