京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

御守り神さんへ

 京都駅構内南北道路の雑踏の中を人の流れに添ってタッタッと歩いていると、背中をトントンとたたかれた。なんや?とちょっと警戒しながら振り返ると、同年代くらいの女性が「カバンの口、開いてますよ」と教えてくれた。しどろもどろして「あ、、、ありがとう」としか言いようがなかった。見ると、斜めがけして背中にまわしていた山用のウエストポーチのファスナーがみごとに全開で、中味が丸見えだった。一瞬青ざめたが、中味は失くなっていなかったので、黙ってファスナーをきっちり閉めた。
 それにしても日本って安全な上に、親切な人が多い。人ごみの中に行く度の、毎度の自分の不注意を棚に上げて、つくづく感心することだ。何度助けられたことか。ほんまに有り難い。生まれた場所が日本だからこそ、わたくしはこれまで生き延びてくることができたのだろう。昔、大学の先生に「キミがもしインドに行ったら、腕ごと切り落とされてカバンかっぱらわれるにちがいない」と予言されて、これまた青ざめ、結局当時のインドには行かなくて正解だったのかもしれない。
 それにしてもこれまでの経験からみるに、どうやら大勢の人の中には、わたくしの守り神か仏か何かが人に形を変えてそこここに配置され、見守って警備してくれているらしいので、安心だ。おまけに別段非常ベルとかならさなくても、タイミングよく飛んできてくれる。妙な自信が出てきたが、過信して頼り過ぎないように気をつけますので、今後とも見守りのほど、どうかよろしくお願いいたします。サンキウ。