京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

普通奏法

 ここのところ、鼻の下を伸ばしたり、にらめっこしたりと色々な奏法を試してきたが、昨夜の稽古で「普通が一番」というところにとりあえず落ち着いた。頭蓋骨を普通に頚椎の上に乗せて、普通に肩甲骨から笛を構えて、普通に唇を結んで、普通にその真ん中付近に息が通る穴を開けて、息の流れを真っ直ぐに普通に伸ばす。演奏中は絶えず普通にそれらが普通かどうかをチェックしながら吹く。そこに緊張とか感情とか表現なんかが入る余地はないし、必要も無い。そんなもん入れるなんて100年早い。まずは、普通、に。先生が唇の作り方やピントの合わせ方を説明しておられる時に、思わず「普通に・・」という単語を使われて、そうとしか説明のしようがないんやろうなぁと慮り、自分の普通は自分で探すしかない、それが稽古だ、とあらためて思い至ったわけである。