京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

森田真生号 2014S/S

 みんなのミシマガジン別冊号。森田クンが挙げる岡潔や森田クン本人の生活及び思考、研究に対する偏愛ぶりは、人間から見ると相当変人にうつるかもしれないが、宇宙や自然の法則のようなものとのバランスは至極とれているように思われる。例えばこのような文章に表れる。「人間のほうを向いて学問をするのではなく、学問の方を向いて学問をするんだ」
 なお、言いふらして売り切れると困るので黙っていたが、つい一週間前に発行されたこの本、京都では一乗寺恵文社でしか販売しないとのことなので、大雨がやんでいる間にあわてて買いに行った。あわててとはいえ、またいつ何時雨が降ってくるかもわからないので、足元は下駄履き、ビニール傘を持ってカラコロ歩き始めた。あいにく高野川付近でじゃじゃ降りに。這う這うの体で恵文社に着き、濡れたジーパンの裾を膝下までまくり上げて、この本が平積みになっていることを確認して他の本を立ち読みしていると、みるみるうちにしゅーっと小降りになってきた。わたくしのような、森田クンの文章に対するちょっとした偏愛ぶりでも、雨(自然)はそれに応じたバランスをとって、ほんの一時やんでくれる、という些細な例。お蔭で本を濡らさずに、また歩いて帰宅することができた。サンキウ。