京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

「能はこんなに面白い」観世清和・内田樹

能はこんなに面白い! 日本の文化は、おおらかでいいなぁとつくづく思う。方法や結果でさえ、唯一と思っていない。唯一の正解があるわけではなく、想像したり察したりしながら身体をもって(唱歌にして覚えるとか)、工夫して創造し伝えていくということを、目的や正誤や善悪は関係なく、意図せずして人生を整えるかのように、普通に続けている。森田クンによるとインドの古典数学もなんと口伝らしくて、公式に至る考え方をも歌にして暗譜?していたそうな。これはわたくしの想像だが、その歌に踊りもつけて覚えていたのではないか。この著書(対談)の中で、観世お家元も内田先生も「能は観るものではなく、やるもの」と仰っている。身体を使ってやってみてはじめてわかる、脳が理解するとか解説書を読んでわかるというだけではない、身体がわかる感覚が、確かにある。そこには理屈や感情や我や心は入り込んでいない。躍動していて淡々としている。まぁ以上のような文章は真に受けずさらっと流そうってことか。