京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

送り火

 なな、なんと(寛平ちゃん調)。まん悪ぅ、送り火点火の前後だけ、じゃじゃ降りの雨に。こんなことは京都に生まれて半世紀程の間で、初めてではなかろうか。ウチではテレビのBSが全然映らなくなり、果ては降雨用の放送に切り替えるたらなんたらのテロップが流れ、やっと映った画面が30年前のぼんやりした画像、おまけに雨音でアナウンサーの声もろくに聞こえない程の大雨。天下の国営放送が市内に設置した30台のカメラを使って、鮮明な8K画面とやらで映して、東京から呼んだ女優さんに着物を着せて、わざわざ府立高校の屋上から生放送をしていたが、まぁご苦労さんなことであった。
 そんな悪天候の中でも、五山とも地元の保存会の人たちの手によって通常通り点火され、お蔭さまでお精霊さんは迷わずに、山の彼方のあの世へ還っていかはった。有り難し、かつ普通のこと。そんなこんなで、水と火と人の想いと行いは、精密機械や電波とはまた別の、とてつもないエネルギーをもっているということを、あらためて実感した。願わくば、これでちょっとは涼しなってくれることを。
 写真は一夜明けて、火と水と読経のパワーで清々しい大文字山。早朝から消し炭をもらいに行って、それを玄関先に吊るすと厄除けになるそう。