京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

 唇の距離

 篠笛で音が出るための重要点の一つは、唇と唄口(息を吹き込む穴)との「距離」だ。
 もちろん、ミリ単位での微妙な距離、のことだ。
 まず大雑把に、以下の二つの距離を試してみる。


 1. やる気満々、さぁ、ええ音出すでぇーッと意気込んで、唇を唄口にブチューっと押しつけて息を入れた場合(近距離)


 2. これ位でええ音出てくれるやろか?と、推し量りながら唇で唄口を小鳥がついばむかのようにソフトタッチして息を入れた場合(遠距離)


 はた迷惑な稽古を重ねた上明らかになったのは、2.のケースの方が断然、音が豊かに気持ちよく、なおかつ楽に響く、ということだった。


 しかしながらこの程度のことは、豊かな恋愛経験をもつ人なら無意識のうちに身についていることなのかもしれない。
 なぜなら、ブチューっと暑苦しいキッスより、サラリと涼しいキッスの方が、後々まで冷静に安定した良き人間関係を保てる、ということが推測されるからだ。

 なんのこっちゃ。