京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

 唇の位置

 篠笛で音が出るための重要点の一つは、唇と唄口(息を吹き込む穴)との「距離」だ。
 そしてもう一つの重要点は、唄口に置く唇の「位置」だ。
 もちろん、ミリ単位での微妙な位置、のことだ。
 わたくし個体の例で言うと、下唇が全部唄口の内側に収まる程度の位置が適しているようだ。
 そしてもう一つ重要点を挙げると、「息の強弱、スピード」そして「息の方向」だが、これは、とにかく音が出るということを前提にして注意する点で、この息の強弱スピードや方向によって、音の高低や音色をコントロールするわけだ。
 これは、もしかしてもしかすると、遥か過去の学生時代、理科系の授業で「力点」とか「作用反作用」とかいう単語で表わしていた原理のことだろうか?いや、もしかして「テコの原理」?いや、テコはありえへんやろ、、、もっとちゃんと理系の勉強もしておけば、もしかしてもしかすると、篠笛の音が出る原理が一発でわかって、もっと早く楽に音が出ていたのかもしれない。
 確かに今から考えると、わたくしは最初から原理を知らないながらも音が出てしまったので、この一つ一つの段階を無視して、やたらがむしゃらに、力任せに音を出していた。すると、音らしきものは出るものの大変疲れて、音を楽しむどころではなかった。
 先生仰るところの「ピントがズレている」という意味が、最近、やっとわかったような気がする。そのズレてるピントの合わせ方を早いこと説明して欲しかったところだが、こうして自分で気付いて自分で納得がいくように自由に修正を加えていくというのが、稽古、そして音を楽しむということなのだろう。確かに、最近、稽古するのが楽しい。