京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

海にて1


 早朝から浜辺を散歩する。さすがは、散歩部部長である。

 短パンにノースリーブ、裸足になって、波打ち際をどこまでも進む。

 顔を上げて、彼方の水平線を見る。深呼吸をする。

 昇ってくる太陽の強い光が、左の頬を焦がす。

 冷んやりした浜風が、灼けた首筋を撫でる。

 
 往復約1時間。こんなに長く砂浜を歩いたのは、生まれて初めてだ。

 足の裏やふくらはぎを、海水が洗ってくれる。

 サラサラの砂にくるぶしまで埋もれる感触。

 海水で固まった砂や小さな石のつぶてが足の裏をマッサージしてくれる。

 渇望するかのように、全身に、この海辺でもらった力をたたき込んだ。
 
 きっと、生涯、忘れない。忘れたくない。