京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

 ゴン太がとりもつ恋

 柴犬のゴン太さんの名誉のためにことわっておくが、彼は常日頃は穏やかで、なおかつ人懐っこい犬である。それが証拠に、近隣には人、犬取り混ぜて、挨拶したり遊んでくれる友だちが大勢いる。
 その中には若き青年たちもいる。病院の警備員のお兄さんと(院外)薬局のお姉さんである。二人とも大の犬好き。でもお互いは顔見知りではない。

 過日、お昼にゴン太とわたくしが散歩から戻ってくると、お二人も昼休み中らしく、薬局前で偶然にゴン太と3人が鉢合わせた。若い二人はお互い人間のことはそっちのけで、ゴン太に触りたくて構いたくて、手を伸ばしてくる。挙げ句の果てには「ワタシにも、ちょっと触らせてください」とか言ってゴン太を取り合っている。
 その様子をハタで見ていたおばちゃん、いや、わたくしは、なんとなく胸の高鳴りを覚え、・・このシチュエーションはもしかしたら、二人の初めての出会い・・?ここで、一緒に写真をとったなら・・?メールアドレスを交換し・・恋がめばえ・・ギャウォーン(ゴン太の鳴き声の真似)などとあらぬ妄想を頭の中で勝手に繰り広げてしまい、午後からの仕事が手につかなかった。
 当の青年たちは、昼休みの時間を厳守し、メルアドどころか挨拶もそこそこにそれぞれの職場へ戻っていった。ちぇっ、マジメが過ぎるッ。人間には社会人としての感覚より野生の感覚を発揮しなければいけない大切な瞬間があるのだよッ!
 独り言はいい加減にして、、、それにしても、あれから二人の関係はどうにかなったんやろか・・・。
ゴン太との散歩途中の西の空(五七五)