京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

 ぎっくり腰、湯治

 東京出張の帰りに箱根に寄って、ぎっくりと痛めた背筋と腰の温泉治療をする。
 ん〜っ、極楽、極楽。白濁、緑泥混じりのまろやかーなお湯である。効くんだな、これが。湯船に身を沈めると、雪を抱いた富士山の頭頂部分がどーんと目の前に現れる。お山と地底からの水と熱のエネルギーが、細胞の細部にまでシミワタル〜。生まれかわる〜。

 ここが、温泉の源泉。周囲にいた若者たちが「ヤバッ、クサッ、ゲホゲホ、、」と逃げ去るほど、硫黄臭満々〜。ちなみにこのお湯に浸かったわたくしの襟元や髪からも硫黄臭が漂っているが、だんじて臭くはない、はず。

 源泉までの上りは、ロープウエイで。下りは、元祖山ガールらしく歩き。ぎっくり腰のリハビリも兼ねている。源泉付近は観光バスやロープウエイで乗り付けた中国からの観光客で大賑わいだったが、下山道には人っ子一人いない。折りしも関東では春一番の風雨が吹き荒れた翌日で、ちょっとした冒険気分のクロカンリハビリだったが、周りの木々や落ち葉で埋もれたふかふかの地道は、とても優しいエネルギーが満ちていた。
 それにしてもこの温泉行きとぎっくり腰のシンクロには、ちょっと驚きだ。ぎっくり腰の湯治というのは後付けした理由で、実はぎっくり前から温泉の計画をたてていたのであった。東京出張の準備をしていた合い間の「箱根、近いで」という天使のささやきを聞き逃さなくてほんとうによかった。お蔭で、計らずとも湯治・リハビリできることになった。わたくしはどこかから自分にやってくる直感を信じることに決めた。これこそがまさに、自信、だ。