ゴン太の水泳特訓

　柴犬のゴン太さん（5才）は水が好きで、暖かくなると鴨川で泳ぐのを日課にしている。たいていは足が立つ程度の水量なのだが、先日の亀石水没ギリギリという程度に増水して流れが速くなった日にも、わたくしの引くリードを命綱として、犬かきで見事に渡り切った。なかなかのスイマーである。途中、中州を超えた所の激流に一瞬ためらい、引き返そうとしたのだが、わたくしの「いける、いける」という励ましで、半分流されながらも必死の形相で西側へ到着していた。わたくしは内心、自分が戸塚（ﾖｯﾄｽｸｰﾙ)校長のような気がしたが、ゴン太の命綱を持っている立場上、万が一の時は道連れになるので、その点は慎重を期したつもり。以前、リードを外してやって野放しにしてみると、鴨川に住んでいるヌートリアを追いかけて中洲の草むらに入り、姿が見えなくなったかと思うと、一匹で泳いで向こう岸へ渡ったり戻ってきたりのやりたい放題、こっちは橋の上を右往左往させられたので、もうリードは放すまい。