京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

優しさ≠甘さ

 春の発表会で演奏する「ねんねころいち」は、奈良の子守唄なので、素朴で優しい、聴いていたら眠たくなるような音が出ればいいなと思うのだが、そういう音の印象と技術的な事は反比例する。つまり、唇の力を抜いて優しくピントを甘くして吹いても、ちっとも狙い通りの音に聴こえない。素朴で優しい、聴いていたら眠たくなる音というよりも、単なるマヌケな音に聴こえる。確かに自分でも、確信をもって力を抜いて優しくピントを甘くしている、というよりは、ピントの合わせ方やピントの合った音程がわからなくて、その場所と音を探して迷いながら吹いているから、不本意ながらピントが甘くなってしまう、というのが正直なところだった。最近、優しい音を出すには、より一層息のピントをピシッっと合わせるのが基本条件だということに、やっと気づいた。優しいということは、甘いということとは別のことだ。
「やさしい」って、どういうこと?