京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

癒しの波動

 笛の発表会は、無事終わった。自分が挙げていた注意点のうちの1.フレーズの終わりまで力を抜かない 2.ゆっくり吹く という二点は、最後のワンフレーズを除いてなんとか成し遂げることができたように思う。しかし、そんな笛のことより、というものなんだが、能楽堂に響いた11弦ギターの音色が、わたくしの琴線に柔らかく優しく触れて触れて触れまくって、笛の事諸々はもうどこかに流れていってしまった。
 今日は原教室創立10周年を記念して、11弦ギターの辻幹雄さんもゲストでおいでくださり、演奏と伴奏をしてくださったのだ。その11弦ギターの独奏曲「春の行方」を客席で目を瞑って拝聴しながら、涙が流れて流れてしかたなかった。別に悲しいとか嬉しいとかそういう感情が湧いたり、情景がイメージされるわけでもないのに、勝手に目から涙が流れ落ちる。どうやら、演奏されるギターの音の波動というのか、音波というのか名称はよく知らないが、とにかく目には見えない空気の微細な震えに、身体中の筋肉や細胞の固まりや緊張感のようなものがほぐされ、ゆるみ、涙腺までもがゆるんだらしい。涙が流れるに任せていたら、後々すっきりした。もしかするとこの響きは、下手な低周波治療とか電気治療?なんかよりも余程効果のある、何らかの治療ではなかろうか?それにしても自分でも思いがけない反応だった。滅多なことでは癒しという単語は使わないようにしているのだが、この音色にはとてもとても、癒された。ありがとうございました。