京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

伊能忠敬の日本図@大谷大学博物館

 在学当時、わたくしたちが毎日使っていた体育館及び部室棟跡に、10年前にできた博物館。馴染み深い体育館が壊された寂しさと学内稀に見る巨大な建物に対する暑苦しさからか、建った当初は「ムダに広いだけやで」という風評がたっていた。しかし1Fの博物館は、館内がぐるっと見渡せるちょうど良い広さで、なんといっても同窓生は無料で展示を観覧できるのが嬉しい。それだけではなく「伊能忠敬の日本図」企画(〜8月5日)では、このチラシを持って行くと入館料一般500円が300円に割引される。おまけに新しくできた北門から博物館の建物に入ってすぐの広ーいスペースには簡単なソファセットがいくつも並んでいて、人との待ち合わせ場所や散歩途中の休憩所としても最適である。もちろんここは同窓生でなくても、どなたでも無料。ここに限っては、タダほど高いものはないといぶかる必要は全く無いので、安心してご利用ください。
 おっと、何の因果か宣伝をしてしまったが、本題は先ほど観てきた「伊能忠敬の日本図」である。もう凄い。鬼気迫るような精密さと壮大な迫力の両方を兼ね備えた日本地図。これが人間の足と筆と帳面、測量磁石や針、この程度の道具だけを使って人間の手で描かれた地図だとは・・・。重ねて言いますけど、空撮技術もカメラもパソコンも車もコピー機も無い時代、人はまだ頭にちょんまげを結って、着物と草履が日常着、ヘルメットも機能的な作業服も靴も無い時代。驚くべきは測量用の磁石の目盛りは、なんと子牛寅卯・・・の十二支表記。展示物の何もかもを、あまりの驚きのため口を開けて、身を乗り出してじーっと見入ってしまった。なにせ地図記号や文字が小さく細かいのだ。下鴨村とか宇治郡などの地名は、多分、面相筆で書いている。鼻毛の一本よりも細い。しかし、密かに自慢するがわたくしは肉眼で見た。けれど老眼の人は受付で拡大鏡を貸してくれるので、これもご心配なく。