京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

話の本題は、

 去る日、京都新聞の片隅に載った「○○市△△町□□川の河川敷でビニールシートがかけられた男性の遺体が発見され、死後1週間程が経過している云々・・」との記事を一読して、まさにその○○市△△町に住んでいる旧友の顔が、ふ、と脳裏に浮かんだ。まさかとは思うが妙な悪寒が走る。何か事件に巻き込まれたか、いや、愛憎のもつれの果てに・・などと予想していた数時間後、電源を切っていた携帯電話のスイッチを入れてみると、ぎゃーッ、件の旧友からの着信履歴が残っているではないか。普段かけることもかかってくることも滅多に無いこのわたくしの携帯電話に、一体なぜこのタイミングで。まさか極楽、いや地獄からの助けてくれコールか、などとあらぬ予感がし、いつもならよほどの用事があったらまたかけてくるやろと考え知らん顔するところだが、今回ばかりは泡くってかけ直してしまった。すると長い呼び出し音の後に電話に出たのは件の旧友ではなく、○○市警察署捜査課の刑事で、遺体が身につけていた携帯電話の履歴から捜査線上にわたくしが浮かんだとのことで、、、などとの想像もこれまた見事に外れ、件の旧友が「おー珍しい、かけてくれたんか?」などと嬉しそうな声で出てきた。「・・・アンタ、生きてるんか?」というわたくしの心配もヨソに「うん。今日は献血してな・・・」とたいそう能天気な内容の話をし始めやがった。この時点でわたくしはすっかり諦観し、奴の話の本題は全然記憶に残っていない。どうやら、献血できるくらい元気なら、まぁ、よかった、という程度のことのようだ。完