京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

原寸大奏法

 笛を吹く時も體の声をきくように意識していると、今まで、正しい姿勢とか基本に忠実にとか音を前へ飛ばしてなど、一般的に良しとされている事を一生懸命やろうとしていたということがわかってきた。意外とマジメな面も備えているのだ。いやそれどころか、もっと肘や胸をはって大きく構えてとか会場の後ろまで届く音を出してなどと、自分を大きく見せようと見栄をはっていたに過ぎない。しかし、他人の忠告を含めてこれらの事どもは、自分の體の声を無視してまでやろうとする事でもないということもはっきりしてきた。思えば旧友などからは「アンタ、相変わらずコンパクトサイズやなー」とか「うわ、原寸大のままやん」などと評されてきたのだから、演奏もわたくしのコンパクトな原寸大のまま、がすんなり修まるのにきまっている。大きく見せようとか聞かせようとせず、コンパクトサイズで、それがわたくしの體及び演奏の、必要かつ充分条件なのだ。體が過不足ないサイズとバランスに修まって、楽で、気持ちが楽しいように吹けばよい。笛の演奏に限らず、生活全般にいえることだ。これで、いいのだ。