京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

緊張しないワケ2

 畑部顧問の話を拝聴して、緊張しないためのテクがもう一つ判った。唇の息穴の絞り方に加え、というか元になる心がけのことである。それはお念仏を唱えるように吹く、ということ。
 元々、笛や鉦や太鼓の演奏は、お念仏を唱えるところに添えられたそうだ。そういわれてみれば、わたくしが始めた六斎念仏も、今は芸能六斎だが、その元は念仏六斎だったらしい。てっきり、念仏だけでは退屈なので、にぎやかしに楽器を入れたのかと思っていたが、違った。あくまでも主役は「念仏」。音楽や踊りは、お念仏を伝えやすくするための手段なだけ。現代人のわたくしの頭の中はすっかり芸能化されていて、音色をよくするには、ちらっと色気を出しゃいいと思っていたが、こと笛の演奏に関しては、全く逆のところを目指すべきなのかもしれない。色気に代表される煩悩を絶つための、笛の演奏なのである。ゆえに、聴衆や自分を楽しませたり元気づけたり、今はやりの、人に感動を与えるためではなく、神さんや仏さんにお任せしますというような気持ちで吹くと、緊張しない、はずだ。