京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

揺らぎの音波

 おととしだったか、母が庭に植えたダリアが今夏の猛暑がゆるんでからすくすくと伸びに伸びた。二階の自室から丁度目の前で花が咲いている。今朝もぎょうさん咲いた。


 先日無事に、しの笛の発表会を終えた。わたくしは演奏せず裏方仕事に徹していたので、余裕で笛友たちや先生の演奏を聴いて耳の肥やしにすることができ、とても勉強になった。ますます、しの笛のもつ自然の音に魅了された。竹と息とのピントがぴったり合った音波は、音量は小さくても、強くたくましくよく響く。周囲の空気を伝って、まさに音の波が身の回りや鼓膜に流れて込んで溢れ、揺らぎながら去っていくのを体感した。まるで山から湧き出る水が渓流となり、大河に注ぐまでの様を表しているよう。音波の余韻が残ってそれに引き込まれていく。逆に音量は大きいが力ずくで出した音は、空気の揺らぎが感じられず、ベターっとした音の壁津波のようにただ押し寄せるだけだった。
 あこがれの、揺らぐ音波に少しでも近い音で吹きたい。