京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

昔の御歌

 先日の音楽部の活動時に、昔、祖母がきれいな声で歌っていた「紀元節」という歌を吹いた。この歌は反響が大きく、参加者のお年寄りからは「この歌、式典の時にうとた(歌った)」という声があがり、昔は建国記念日のことを「紀元節」と呼んでいたことも教えてくださった。それに、演奏の始めから歌には全然参加せず独り言を話していた、明らかに認知症の度合いが進んだ、おじいさんかおばあさんか判らない方も、「紀元節」を吹き始めた途端に♪雲にそびゆる高千穂の〜♪と歌い出し、歌詞カードもみないまま二番まで歌いきられ、歌の力と人間の能力と教育の力をまざまざとみせつけられた。
 この出来事を畑部顧問で、先年傘寿のお祝いをした先生に話すと「ほな、明治節は演ったんか?」と仰る。なんスか?それ?と尋ねると、昔は文化の日を「明治節」と呼び、この時にも式典で歌を歌っていたとのこと。知らンかった〜!わたくしにとっては衝撃の新事実だったが、戦前に小学生だった人にとっては周知の旧事実だったようだ。あらためて戦争を機に様々な物事の価値観や有り様が大変化したことを思った。