京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

手づくり市にて

 岡崎公園での手づくり市(平安楽市)会場のBGM演奏を。 
 若干オタク気味なわたくしは、いかなる演奏環境下においても自分の殻に閉じこもって吹く稽古をしようと考えて参加し始めたが、回を重ねる毎に、意外や意外、外界?とのやりとりが楽しくなってきた。
 演奏していると、まず公園にいる鳥がピピピピなどとさえずり始める。鳥にしてみると笛の音が縄張りに入ってきた他鳥の鳴き声に聴こえるらしく、威嚇しているそうのだが、こちらとしては即興セッションをしているようで楽しい。
 また、木工細工でミニチュア楽器を手づくりしている出店者のおっちゃんからは、前回ご褒美に竹で作ったペーパーナイフをいただき、その上今回は珍しい四角い細い竹を使って、竹笛のミニチュアキーホルダーを作ってきてくださった!めちゃめちゃ嬉しかった。それに、ちりめん山椒屋さんからも美味しい商品を、拍手の代わりにと頂戴した。現物支給でチップをいただけるのは、手づくり市ならでは。聴いていてくださったんですね!有難うございます!
 「月の沙漠」や「旅愁」「紅葉」「里の秋」「夕焼けこやけ」などをゆるーく吹いていると、若いパパがベビーカーに男の赤ちゃんを乗せて前の床机に座ったので、「江戸子守唄」をさらにゆるーーく吹いてみると、その赤ちゃんのまぶたがとろーんと重くなって寝入りそうになってきたのにも感動した。子守唄を吹いて実際寝てくれるなんて、笛吹き冥利に尽きる。
 さらに「もののけ姫」など数曲を吹いて終わりにすると、これも前の床机で一人聴いてくれていた小3くらいの男の子が寄ってきて「もののけ姫がよかったです。映画も見たし」などと話しかけてきてくれた。彼の話をきいていると「ぼくもリコーダーで、もののけ姫吹けるし、歌も知ってる」とのこと。「へー、ほな今度来る時、リコーダー持ってきて。一緒に吹こうさ。それか、おばちゃんが笛吹くし、ぼくは歌うたって」と軽く勧誘すると、「うん。♪はりつめた弓の〜ふるえる弦よ〜」と何の躊躇も無く即、歌い出す。ごく自然につられてわたくしも歌ってしまい、図らずとも♪もののけたちだけ〜♪と最後まで合唱するに至った。これは相当気の合う、いや、気のみならず、流れもタイミングもバランスもかなり合う、束の間の可愛い音楽系ボーイフレンドができた。オモシロイよぅ。