京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

ワイルドじゃなくなったぜぃ2

 あぁ、わたくしから野生の勘が失われてしまった、と自信を失った点はまだある。暴風雨の勢いにものすごく恐怖を感じたことと、実際風の中を歩けなかったことである。
 思い返せば現役の山ガールだった頃にも、山中の幕営地(テントを張って寝る所)に着いてから、雨風がかなり強くなってきたことがある。その時は怖いより何より、まずフライシート(テントの上に張るシート)が飛ばないように、ペグ(シートの止め具)の上から大きな石を乗せ、テントの周りにエンピ(簡易シャベル)で側溝を掘るという作業を、花の女子高生4名が強風雨の中、雨具を着て黙々とやり遂げ、テントの中で寝袋に入って静かに眠った。しかし今回は、吹けば飛ぶよなテントどころか、鉄筋で建てられたホテルの部屋のぬくぬくとしたベッドの中で眠っているくせに、こ、怖い〜とオンナノコのようなことをぬかしている、中年女のこの自分。怖いとつぶやいてしまってから上記を思い出し、弱音を吐く自分が恥ずかしくて赤面したぜぃ。
 そして、強風の中を歩けないということは、普段結構注意しているつもりの、歩く時の姿勢に難があるのではないか?もしや、重心が高過ぎるのか?という疑いが湧き起こった。同時に、こんな死ぬかもしれない悪条件の中をほっつき歩いたり泳いだりするアホの野生動物は居ない、うかうか巣から外へ出た自分こそが、勘が鈍って驕りたかぶった身の程知らずの小ニンゲンなのだ、と痛感した。
 この点を知らしめるために、神さんはわたくしを呼び出し、台風と出遭わせたのかもしれない。しかしながら、この状況の中にあっても無事予定通りに帰京できたということは、やはりわたくしは神さん仏さんに守られているということだろう。守られているという自信はまだまだあるぜぃ。サンキウ。