京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

広島出張

 約三日間、広島へ出張る。
 平和記念公園付近を訪れるのは実に中学の修学旅行以来、35年ぶり位か。その間原爆ドーム世界遺産になったりで、周囲は整備が進んでいた。資料館も新しくなっており、映像がメインになっていた。また入館者の半数以上は海外からの旅行者のようで、説明文も各国の言語が並んでいた。しかしやはり現実感が真に迫るのは、被爆者の遺品の実物や残した言葉だった。跡形も、一言も遺さないまま亡くなった人の方がはるかに多いだろうということも想像がつく程。
 鎮魂の思いを込めて、元安川の端で笛を奏でた。

 これまた見覚えのある電車。確かに40年ほど前までウチの前を走っていた市電である。懐かしい、懐かしい〜。市電が廃線になり地下鉄工事が始まった当時、小学校の放送部員だったわたくしは、下校の放送で(BGMは遠き山に日は落ちて)「皆さん、今日一日、楽しい学校生活が送れましたか?・・・略・・また烏丸通りの工事には十分気をつけて帰りましょう」と校内アナウンスをしていたのだ。今の小学生ほど行動範囲が広くなかったので、市電に乗ることは滅多になかったが、それこそ毎日のようにこの車体は目にしていた。京都を卒業後、40年を経ても広島でこうしてしっかり働いているとは、なんだか感無量だった。
 また長崎堂のバターケーキという地元の名産品を買うために朝9時から店に並んだりして、一体広島まで何をしにいったのかとも思うが、連休明けからの珍しく多忙な日々を、調子を崩す事もなく淡々とやり過ごしたので良しとする。