京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

盛り奏法

 そんなことで泣き暮らしているので、胸はつまるわ、下腹に力は入らへんわ、で笛が吹ける状態ではないのだが、気が紛れるので稽古はしている。そして先生に「盛り奏法」を教わって、思いがけず、自分が聴きたいと思っていた音色が一瞬だけ出た。若竹のように柔らかくてはんなりした、でも一本筋の通った、まさに竹の音。これが定着するまで集中して盛り奏法を試してみよう。文章にしてもさっぱりわからんだろうが一応メモっておくと、下唇を柔らかいまま、唄口にめり込ませるようにして唄口の上に盛って当てるというのが、盛り奏法という名の由来である。わたくしが二階の自室で笛を吹いていると、ミックスさんはいつも階段の下にちんと座って聴いていてくれた。この若竹の音を聴かせてやりたかったなぁ。