京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

閂(かんぬき)奏法

 唇の息が通る穴のことを「風門」と呼ぶ。わたくしが演奏時にするべき仕事は、この風門の形を作り込むことではなくて、体内から風(=息)を送ることと、その風の勢いで、門(=唇)が全開してしまわないように、閂(かんぬき)を差すことなのかもしれない。わたくしの場合の閂は、犬歯だ。若干八重歯気味の犬歯を意識してみると、甘い、といわれていたピントが絞れてきたような気がする。そうすると、わたくしの力づくではなくて、風の圧力で自然と適度な風門を開けてくれる。身体よ、サンキウ。わたくしの我よ、小細工するなよ。