もののけたち

　平安楽市会場にて、しの笛でのBGM演奏。「海」や「瀬戸の花嫁」など夏っぽい曲を気持ちよく演ったが、ウケが良かったのは「もののけ姫」だった様子。今回はマイクも何も通さない、ほんとの笛一管での生演奏だったので、岡崎公園に生まれたセミたちの声や木々のざわめきとの合奏となって、一層もののけ感が出たのかもしれない。
　演奏仲間のアコーディオンのお兄さまが「もしこの辺りの神さんが、その笛の演奏を聴いてはったら、なんとかしたらな、と思わはるような演奏やから」と申し出てくださり、神さんに成り代わって、わたくしの吹く「もののけ姫」の伴奏をしながら、手作り市会場内を一緒に弾き歩いてくださった。果たして褒められたのか、救いようのない演奏だと思われたのか、イマイチはっきりしないが、とにかく助太刀、サンキウです。でも傍目には、これから始まる夫婦漫才の呼び込み演奏にしか見えなかったような気がしてならない。
　それはさておき、写真のお兄さま方が演奏された曲は、丸々西洋の曲で、わたくしには曲名はさっぱりわからなかったが、唯一知っていた曲「男はつらいよ」のテーマ曲♪どうせオイラはヤクザな兄貴　わかっちゃいるんだ妹よ〜♪を演奏された折には、気持ちよく歌まで歌わせていただきました。この音波の凪いだ感じ、独特の空気を含んだ音色に、音の大麻を吸って脱力した感じだった。実際吸引した経験は無いが、まぁ、そんな感じちゃうかな、と。そんなことで、わたくしはすっかりこのアコーディオンとギターの、おおらかで自由な、場の雰囲気を和ませる演奏のファンになった。