京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

何気ない底力

 今回の音楽部(デイサービスでの演奏)では、今までより力まずに演奏できた、ような気がする。二重奏の相手の音もウクレレの音もお年寄りの歌声もよく聴こえてきたし、即席指揮者の指揮がよく目に入り、それに集中して演奏できた。
 指揮者は最後の一曲の前に、聴衆の男性(推定80代後半)の一人にこちらから急に依頼したのだが、それに見事に応えてくださり、「今日はちょっとめまいが・・・」などと一回は遠慮しながらも(京都人にはありがち)、立ち上がってそろそろと前に出て、大きく腕を振ってくださった。えらいもんで、これで会場全体の空気がぐっと一つにまとまり、人間のもつ底力をあらためて実感した。
 お年寄りたち本人に、感動を与えたいとか上手く歌おうなどという気はさらさらないだろうが、実際には感動ものだった。彼ら彼女らのような、この何気なさをもって、素直な竹の音を奏でたいのだ。