京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

隠れ場所

 関西で初開講、古武術研究家の甲野先生の音楽家講座に参加した。身体の使い方はもとより、今回は演奏する時の居場所についての説明が興味深かった。演奏している位置を発した音がどこかに届き、はね返ってまたどこかへ当たって、きれいな三角形を描いて自分に戻ってくる場所がある、と。そこに、自分の姿形が隠れるような場所がある、と。そこに立つといわゆるアガっている気持ちが落ち着いて筋肉の過緊張もほぐれる、といったような事。それを聴いて、これはわたくしが考えていた自分の殻に閉じこもって吹くという事や、これからはもっと山や森の中や渓流のそばで演奏したい、と漠然と思っていた事とリンクしている気がする。そこがわたくしの居場所であると同時に、そこでは演奏している私、なんていないも同然なのだ。