京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

古武術的、一例

 久しぶりに茜色の本日夕方の空。
 今から思えば無意識に古武術的身体の使い方をしたのでは?と思い当たる事が、過去に一度ある。
 うら若きバレー部時代、練習中に、ジャンプをして下りた足の下へ丁度ボールが転がってきて、いわゆる玉乗り状態になってしまった。いや、ほんまに玉の上に上手く着地してそのまま転がる玉の上を歩ければ、それこそ人間離れした業なのだろうが、無論そんなことはできず、こけた。しかしわたくしのその場合はこけ方が妙に軽やかで、ボールの上を全身の背面が流れ滑るようにするりとこけ、そのまま床に仰向けに倒れて死んだふりをする余裕さえあった。実際痛くも痒くも恥ずかしくもないのでそのまま大人しく目を瞑っていると、チームメイトたちが大丈夫かッ!と走りよってきた。こういう時にはだいたい捻挫をするとか、後頭部を強打するのが常だからだ。しかしながら、これら一瞬の出来事だが、わたくしは死んだふりをしながらも、我ながらきれいにこけたわーと思ってニヤッと微笑んでしまい、その顔を目ざとく見ていたセツさんは、捻挫を心配するどころか、なんと、わたくしの脇をコチョコチョッとくすぐらはった!それで爆笑してしまい、何事もなかったかのようにケロッと練習に戻ったのである。これぞ、古武術的身体と心の使い方の一例だと考えられる。
 荒神橋から雪を抱く北山を望む
 暮れゆく藍色が美しい