京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

集中の方向

 過去の職業柄、人前に出る時にはなるべく全体を見渡して、人々の反応を観察しながらその反応に合わせて何かを説明したり、会話したり、身体を動かしたり、表情でうったえかけたりする癖がついている。つまり自分の外側ばかりに注意が向いていて、なおかつ注意をあちこちに払っている。ある意味、注意散漫。そしてそうしている方が緊張しない。100人の前でラジオ体操の見本をするのも別に平気だ。
 しの笛の演奏、特に発表会の舞台で独奏をするにあたり、この癖とは全く反対のことをしなければならないことに気づいた。人前でというシチュエーションは同じだが、意識(注意)は自分自身の内面に向けて集中(集注)する、ということだ。しかしこれが、たとえたったの1分間でも難しい〜。「おはようございます」とか声を発するわけにもいかないし、注意の発散のしどころが無い。思い余ってついついいつもの癖で、聴衆をチラ見してしまったり、ミスってニヤッとしてしまったり、退場する時にツーステップを踏んでしまったりと、とにかく平気でいられない。自分自身に集中ができない。目の前で自分を見たり聴いたりしている人たちとコミュニケーションをとらずに自分の中に閉じこもる(自分に集中する)なんて、わたくしの中ではちょっとした非常事態だ〜。あ、演奏(音)がコミュニケーションなのか!それにしても一方的過ぎやしないか?まぁ、考えてもしゃーないか。