京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

11弦ギターの音波

春のゆくへ〜11弦ギター、篠笛と朗読によるバラード〜 急遽開催が決まった、辻幹雄さんの11弦ギターの演奏を聴きに。各紙で報道された長崎の鐘-平和への祈り−ツアーと並行してつくられた、バッハの作品CDができたてのホヤホヤで湯気がたっていた。
 辻さんは、わたくしの篠笛の師匠(原彰宏)や大師匠(鯉沼廣行)と共演されるギタリストで、特に大津の能舞台で11弦ギターの演奏を聴いた時には、涙が流れてしかたなかった。涙といっても、それは感情が動いて出た涙というよりも、11弦ギターの音波を全身の細胞が浴びて微細に振るえ、固まっていた筋肉が緩んで流れ出たような涙。雪解け水とか、春になり氷が溶けた、という自然現象に通じる感じ。もしかすると低周波治療もこんな感じなのかもしれない。その証拠としては、普段から眼精疲労を感じる、特に右目から流れていたから。まぁとにかく好き嫌い以前に、リアルな音の波が空気にのって、優しくサラサラと全身に伝わってくる事この上なく気持ちいい。また辻さんの話し声も、顔に似合わず(失礼、)ものすごくソフトで、周辺の緊張感が溶ける。やっぱり生演奏ってええな。