京都こみち日記

こみちを歩く こみちに迷う 日々のこと

 迷える小羊

 見知らぬ人に話しかけられるのは、道端だけではなかった。
 Q(ユニクロの我が家での呼称)の店内、ヒートテックシャツ売り場の前でも、年配の女性に「これ、ぬくとおすか?(あたたかいですか)」と尋ねられた。特価になっていて大混雑している中で、何ゆえ、話しかける相手にわたくしを選ぶのか?確かに、見本を手にとってスリスリしたり、サイズを合わせたり思慮深い行動をしてはいたが。「う〜ん、わたくしも初めて着てみよかなーと思てるんです。安なってるし・・」と言うと、その年配の女性は、「やめとこ・・」と立ち去らはった。
 ここで思いがけなく、わたくしの、Qの販売員としての素質は無い、ということを思い知らされた。そして、たとえ安くなっていても迷った時はやめる、というこの女性の煩悩(物欲)の断ち切り様に、軽く尊敬の念を覚えた。だって、わたくし、考えた末に買っちゃったんですもの・・・。赤のしましまのやつ。だってだって、隣の中年女性は、20枚も買い占めていたんですもの・・・。